平安時代の言葉

平安時代の人々はどのような言葉で会話をしてたのでしょうか

平安時代の人々はどのような言葉で会話をしてたのでしょうか

平安時代の文学は現代にも残っており、当時の言葉がどのようなものだったかを教えてくれます。

 

しかし、実際には文語と口語の違いや、現代語にはない独特な発音などもあったと言われています。

 

また、平安時代の女性はとても無口で、奥ゆかしさを保つために口数が少なかったと言われています。

 

現代のおしゃべりな女性たちとはずいぶん様子が違ったようです。

 

ここでは平安時代の言葉について見てみましょう。

 

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口語と文語では大きな違いがあった?

まずは当時の文学を見てみましょう。清少納言が随筆したことで知られている「枕草子」に次のような文面があります。

 

「星はすばる。ひこぼし。ゆふづづ。よばひぼしすこしをかし。尾だになからましかば まいて」

 

これは星に関する文章で、現代語で表すと「星と言えばすばる。明けの明星もまた良いものだ。流れ星も興味深い。(流れ星の)尾がなければもっと良いのに」となります。

 

これを口に出されたとしても、おそらく理解ができる現代人はほぼいないでしょう。

 

しかしそれは平安時代の人々でも同じだったと言われています。

 

そもそも文語と口語では大きな開きがあったとされており、公にするような文ではあえて難解な表現を使用したようです。

 

一方、庶民はたちは平易な言葉使いで日頃のコミュニケーションを取っていたと考えられています。

 

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平安時代における現代とは違った発音

平安時代にも口語があったと言うことを前述しましたが、それでも現代人が当時の人々と会話をするのは「不可能ではないが難しい」、と考えられています。

 

その理由のひとつが発音の違いです。

 

たとえば母音が違います。現代語で用いられる母音は「a、i、u、e、o」の5種類です。

 

それに対して、古語の母音は「a、i、I;、u、u;、e、o」という7種類があります。「i;」と「u;」が現代の言葉には存在しないのです。

 

これらは「上代特殊仮名遣い」と呼ばれる言葉で、i;は「ゐ」、u;は「ゑ」となります。

 

母音に違いがあるということは、「言葉の発し方」が根本から違うため、現代人がそれを理解するのは難しいでしょう。

 

また、「ハ行」の発音が現代語と違うことでも知られています。

 

一般的にハ行は「h」で発し、「ha、hi、hu、he、ho」となっています。

 

しかし、当時のハ行は「f」であり、「fa、fi、fu、fe、fo」となります。カタカナで表すと、「ファ、フィ、フ、フェ、フォ」となっているのです。

 

ハ行の言葉をfで発するため、平安時代の人たちの発音は現代とずいぶん違っていたことが予想されます。

 

その他、サ行は「シャ、シ、シュ、シェ、ショ」、「お」と「を」は「うぉ(wo)」といった発音であったと言われています。

 

当時の女性はとても無口だった?

最後に豆知識的な情報もひとつご紹介しましょう。

 

平安時代の女性たちというのは奥ゆかしさを保つために、非常に「口数が少なかった」と言われています。

 

たとえば、「源氏物語」には数組の男女が登場しますが、会話の第一声は「93%」が男性側からとなっています。

 

つまり、男性が声を掛けるまで、女性は口を開かなかったのです。

 

そのため、女性たちは言葉ではなく「態度」で感情を表すことが多かったそうです。

 

男性がそれを察し、うまくコミュニケーションを取ることができれば恋仲になれと言われています(もちろん、女性が態度を重要視していることを男性側は理解していました)。

 

女房文学で知られる平安時代ですが、当時の女性たちは特に男性の前だと言葉を声に出すことは少なかったのかも知れませんね。

 

だからこそ、紙と筆を使ったすばらしい文化が生まれたのかも知れません。

 

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